タワー式駐車場のメンテナンスはどんなことをしているの?

 

こんにちは。
パーキングドクタープラス編集部です。

現在、機械式駐車場は全国で約26万基が稼働していると言われていますが、機械式駐車場の保守点検は、エレベーターなどの設備とは異なり、実は法的に定められた点検義務はありません。

しかし、適切な保守点検を行わないと、部品の劣化や不調を見落としてしまい、機械の寿命を短くしてしまったり、大きな故障で多額の修繕費用がかかったり、重大事故を引き起こしてしまう危険性があります。

国土交通省では、機械式駐車場の管理者は保守点検業者に委託し、1~3ヶ月以内に1度を目安として専門技術者による点検を受け、必要な措置を講じて維持管理するように取り組むことといった安全対策に関するガイドラインを策定しています。

しかし、機械式駐車設備に関する専門的な知識を有していない、ビルのオーナー様や管理組合といった機械式駐車設備を管理されている方などにとっては、

「保守点検業者が行う点検内容・点検周期が適切かどうか」
「契約書に点検内容・点検周期をどう記載すれば良いか」など、

機械式駐車場に対して色々と疑問に思うことや不安な点があるかと思います。
特にタワー式駐車場のメンテナンスに至っては、二段式や多段式などの機械式駐車場に比べて、装置自体も大きく複雑で外からでは分かりにくい構造ですので、メンテナンス業者がどういった点検をしているかは分かりにくいですよね。

そこで今回は、タワー式駐車場のメンテナンスはどんなことをしているのか、そして点検周期等について詳しくまとめました。

ぜひ最後までご覧ください。

 

タワー式駐車場の点検項目・点検周期ついて

機械式駐車場にメンテナンスが必要な理由は「故障による事故を未然に防ぐこと」「機械式駐車場の性能や美観を保ち、末永く使えるようにする」という2つの理由があります。

実際に装置の維持保全が不十分であったことから、安全装置が作動せずに死亡事故に繋がった事例があります。

事故例:人感センサーの故障により人の存在を検知できず、装置に挟まれ死亡

事故例:人感センサーの故障により人の存在を検知できず、装置に挟まれ死亡

利用者が装置内に留まっていることに気づかずに、専任の取扱者が装置を稼動させたため、利用者が搬器に巻き込まれ死亡した。

装置には人感センサーが設置されていたが、故障したまま放置されていたため被災者を検知できなかった。 また、操作盤に安全確認ボタンは設置されていなかった。

(機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドラインより引用)

 

このような悲惨な事故が起きないよう、専門的な技術を持った業者による定期的な点検を行うことが求められているんですね。

また、定期的なメンテナンスによって、機械式駐車場の性能や美観を長く保つことができます。

故障や事故を防いで利用者の安全を守るためにも、機械式駐車場の寿命を延ばすためにも、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。

ではメンテナンス業者は、タワー式駐車場のメンテナンスはどんなことを行っているのか、実際にご紹介します。

 

タワー式駐車場の点検項目

必要な点検項目は、対象とする機械式駐車設備の機械的特性、設置環境、特殊性、特別仕様等を考慮し定めることとなっていますが、主な点検項目としては、

「安全装置」「乗降領域」「抑制・操作盤」「駆動装置」「昇降搬送装置」「循環装置」「水平搬送装置」「搬送台車」「旋回装置」「搬器」「可動床装置」「扉」「油圧装置」「方向転換装置」「遠隔監視関係」「群管理運転装置」「駐車装置の構造部」「自動確認運転調整」
など、多くの点検項目があります。

装置だけでも沢山の種類があり分かりにくいとは思いますが、例えばチェーン1つにしても、取り付けの状態や潤滑の状態、伸びや錆が発生していないか、摩耗による損傷が無いか等、細かく点検します。

それぞれの点検内容については、国土交通省が制定した「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針」にて詳しい内容が示されていますので、詳しく知りたい方はぜひ上のリンクをご覧ください。

 

タワー式駐車場の点検周期について

国土交通省が策定している「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」では、管理者に対して、装置が正常で安全な状態を維持できるよう、機種や使用頻度等に応じて、1~3ヶ月以内に1度を目安として、専門技術者による点検を受け、必要な措置を講じることを求めています。

タワー式駐車場のそれぞれの点検周期の目安としては、以下の通りですので、ぜひご参考ください。

 

保守点検契約に盛り込むべき事項のチェックリスト

通常、機械式駐車場のメンテナンスは保守点検業者とメンテナンス契約を結びますが、契約内容においては、国土交通省より管理者向けにメンテナンス業者と保守点検契約を締結する際の「保守点検契約に盛り込むべき事項のチェックリスト」を公表しています。

業務内容や契約期間に関する事項や、責任範囲に関する事項などが確認事項としてリスト化されているので、ぜひダウンロードや印刷をして契約の際にお使いください。
↓↓↓
国土交通省のホームページ
https://www.mlit.go.jp/toshi/content/001425852.pdf

 

メンテナンス業者には当たり外れがある

上記のように保守点検契約に盛り込むべき事項は、国土交通省によりガイドラインが策定されていますが、点検報告が法的に義務付けられていないので、どんなメンテナンス業者を選ぶかは管理者の判断に委ねられています。

メンテナンス費用を抑えようと安易に業者を選んではいけません。業者によっては点検内容が曖昧だったり、メンテナンス費自体を多く見積もったりする会社もあるのです。

また、築15~20年経った機械式駐車場は、当時の施工メーカーがすでに倒産しており、メーカーの保守が受けられないというケースがあります。

機械式駐車場の中でもタワー式駐車場は、装置自体が一般的な機械式駐車場とは違い、特殊な形状をしているため、一般的な機械式駐車場の保守点検業務よりも難易度が高く、独立系メンテナンス業者の多くが、敬遠しています。

メーカー系メンテナンス業者にて保守が受けられない場合、タワー式駐車場のメンテナンス業務の実績を多く残している独立系メンテナンス業者を選ぶ必要があります。

専門知識がない人にとっては何がどうなっているのかまでは分からないので、きちんと点検内容を報告してくれたり、説明してくれる優良な業者にメンテナンスを任せるようにしましょう。

 

タワー式駐車場の現状についてや、メンテナンスはどんな業者に頼むのがいいのか等、詳しく知りたい方は「タワー式駐車場のメンテナンスはどんな業者に頼めばいいの?」をご覧ください。

 

パーキングドクターでは報告書や是正提案報告書などを提示しております

パーキングドクターでは、どなたにでも分かりやすく、目視で確認していただける工夫として、写真を盛り込んだ点検報告書や是正提案報告書をお渡ししております。是正提案報告書には交換必要度をABCの順にランク分けしており、お客様のご要請がなくとも見積書の提出とご説明を行います。

もし、現在取引しているメンテナンス業者の対応が悪くてお困りの点があるようでしたら、パーキングドクターにご相談ください。

 

最後に

今回は、タワー式駐車場のメンテナンスはどんなことをしているのか、そして点検周期等について詳しくまとめました。

現在タワー式駐車場は、築15~20年経過して老朽化が進んでいるものが多くなり、メーカーの保守点検や修繕を請け負ってもらえなくなる等の問題が起こっています。

定期的な保守点検や修繕をせずにそのまま使い続けることは、重大事故に繋がる恐れもあり、大変危険です。

ですが、管理組合の適切な維持管理で、機械式駐車場の事故の防止に繋がります。

まずは価格だけで決定するのではなく、技術力や知識、緊急時の対応などを含めて総合的に判断し、信頼できる業者にメンテナンスをお願いしましょう。

 

また、パーキングドクターでは、タワー式駐車場などのあらゆる機械式駐車場の保守点検・部品交換・制御プログラム更新・塗装工事を行っております。

ご相談、お見積りは無料ですので、お気軽にご相談ください。

 

※タワー式駐車場のメンテナンスのご相談はこちら

 

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