【2026年版】機械式駐車場のEV充電義務化から1年〜変わる駐車場運営の現在地〜

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【2026年版】機械式駐車場のEV充電義務化から1年〜変わる駐車場運営の現在地〜

東京都では2025年4月に新築建築物のEV充電設備設置が義務化された

東京都では、2025年4月に改正環境確保条例が施行され、都内の新築建築物に対してEV充電設備の設置が義務化されました。施行から約1年が経過し、施設オーナーや管理会社にとって具体的な対応が求められる段階に入っています。

義務化の対象は「新築建築物のみ」であり、既存建築物やリニューアル・改修工事は対象外です。しかし、EV普及の加速を見据えると、既存物件でも充電設備の導入を検討する価値は十分にあるでしょう。

東京都での具体的な義務化の内容は、建物の規模によって以下のように異なります。なお、この条例は東京都独自のものであり、他の自治体では別途確認が必要です。

対象建物EV充電設備配管整備
大規模新築(延床2,000㎡以上・専用駐車場5台以上)駐車区画の20%以上に設置義務駐車区画の50%以上
中小新築集合住宅(駐車場10台以上)1台以上設置義務駐車区画の20%以上
新築戸建住宅任意(義務なし)配管のみ義務
既存建築物・リニューアル義務対象外(補助金制度あり)

出典:東京都環境局「建築物環境計画書制度 2025年概要」

機械式駐車場におけるEV充電設備設置の技術的課題

機械式駐車場へのEV充電設備設置には、特有の技術的課題が存在します。パレット式の機械式駐車場では、可動部分への電源供給が構造上困難なため、パレット上への充電設備設置には大きな制約があります。

一般的な解決策として、機械式駐車場の入口付近に平置きの充電専用スペースを設けるか、一部のパレットを固定化して充電設備を設置する方法があります。しかし、これらの対応は駐車効率の低下や改修コストの増大につながるため、施設オーナーや管理会社は慎重な検討が必要です。

ユビ電の事例によると、「機械式駐車場でもEV充電をあきらめない」というコンセプトのもと、様々な技術的工夫により設置を実現しています。既存の機械式駐車場でも、専門業者との協議により最適な設置方法を見出せる可能性があります。

施設オーナーが知っておくべきEV充電設備の種類と選定ポイント

EV充電設備には、普通充電器(3kW〜6kW)と急速充電器(50kW以上)の2種類があります。集合住宅や事務所ビルの駐車場では、長時間駐車が前提となるため、設置コストが低く運用も容易な普通充電器が主流となっています。

充電器メーカーを選定する際は、将来的なメンテナンスを考慮することが重要です。独立系メンテナンス会社は複数メーカーに対応できることが一般的なため、特定メーカーに依存しない保守体制を構築できます。

海沿いや塩害地域の物件では、耐久性に優れた塩害対策仕様の充電器を選択する必要があります。日栄インテックなどは、塩害対策に特化した充電器を提供しており、長期的な運用を見据えた設備選定が可能です。

課金システムの導入も検討すべきポイントです。ICカードやスマートフォンアプリと連携した課金システムを導入することで、電気代の公平な負担と充電器の適切な利用管理が実現できます。

補助金活用と今後の対応方針

既存建築物は東京都の義務化対象外ですが、国や自治体の補助金制度を活用することで、設置費用の負担を軽減できます。経済産業省の「充電インフラ整備促進に向けた指針」では、2030年までに15万基の公共充電器設置を目標としており、今後も補助制度の充実が期待されます。

施設オーナーや管理会社は、まず保有物件の駐車場形態と電源容量を確認し、充電設備設置の可能性を検討することから始めるべきです。新築物件については条例に基づく義務を確実に履行し、既存物件についても将来的なEV需要を見据えた準備を進めることが賢明です。

東京都以外の自治体でも、独自の規制や補助制度を設けている場合があります。物件所在地の最新情報を確認し、地域の実情に応じた対応計画を立てることが、持続可能な不動産経営には不可欠となるでしょう。

法令・ガイドラインに関するご注意
本記事に記載の法令・条例・ガイドラインの内容は、執筆時点の公開情報に基づくものです。最新の規定や具体的な適用条件については、所管の行政機関に直接ご確認ください。

出典

営業部 主任(業界リサーチ担当)
この記事の監修者 営業部 主任(業界リサーチ担当)

機械式駐車場業界15年。主要メーカー各社の経営動向・IR情報を常時ウォッチし、業界再編の流れを管理組合様にわかりやすくお伝えすることがモットー。メーカー系・独立系双方での勤務経験から、公平な目線でアドバイスいたします。

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