こんにちは。
パーキングドクタープラス編集部です。
近年「マンション住民の高齢化」や「若者の車離れ」、さらに機械式駐車場があるマンションでは「子育て世代などの車両サイズの大きい車の所有者が、機械式駐車場に停められずに他の駐車場を契約している」など、さまざまな要因で、マンション駐車場の空きスペースが非常に目立つようになりました。
当然空きスペースが増えると、駐車場収入も減少してしまいますよね。
そうなってしまうと、管理費の値上げなども検討しなければなりませんし、修繕積立金などの必要なお金が不足するケースも見受けられるようになってきました。
このままでは管理組合の負担も大きいですし、根本的な問題解決には至らないですよね。
マンション駐車場の空きスペースが目立ってきたら、将来を見据えて空きスペースを有効活用することも1つの方法ではないでしょうか。
そこで今回は、マンション駐車場の有効活用する方法についてまとめてみました。悩んでいる方はぜひ最後までご覧になってみてくださいね。
利用台数の制限を緩和する
管理規約や使用細則の中で「1戸あたり駐車場は1台のみ」と限定しているマンションも多いようです。
しかし、空き駐車場が出るほどの状態であれば、管理規約や使用細則を改定するという方法もあります。
「1戸2~3台まで」などと台数を緩和することで、駐車場の空きを少なからず解消することができるでしょう。
外部に貸し出す
駐車場を外部に貸し出すという方法です。
外部に貸し出すメリット
この方法は、マンションが商業区域である場合に最も有効活用できます。マンションが商業区域の場合、マンション駐車場の需要が跳ね上がるので、上手く活用できるでしょう。
ですが、この方法には2つデメリットがあります。
デメリット:1 マンション駐車場内に外部の人間が出入りするようになる
1つ目は、マンション住民以外の人が敷地内を出入りするようになるため、マンション住民の防犯などに対する懸念が強まる恐れがあることです。
大切なお車を傷つけられないかどうかや、盗難、治安が悪くならないかどうか、心配な方は少なからずいらっしゃると思います。
ですので、外部に貸し出す際はセキュリティ面の強化も視野に入れて考えましょう。
デメリット2: すぐに借り手が見つかるという保証がない
2つ目は、マンションが商業区域にあるからといって、すぐにマンション駐車場を利用したいという人が出てくるとは限らないことです。
募集をかけてもなかなか借り手が見つからないという事例は多くあります。そのため、外部に貸し出す方法は、借り手が見つけるまで時間がかかるかもしれないということを頭に入れた上で、検討すると良いでしょう。
また、外部に貸し出す方法は、駐車場賃貸業として収益事業を行う法人とみなされ、法人税等の課税対象となる場合がありますので、注意が必要です。
管理組合は営利目的の団体ではないため、基本的には法人税や事業税等の税金を納める必要はありませんが、収益事業に該当する事業を行う場合は、課税対象となります。
このような事案が増加していることを受けて、国税庁は「マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について」の照会を行っており、この中でいくつかモデルケースが掲載されています。
収益事業に該当する場合と、該当しない場合の例示に関しては、国税庁の「マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について(照会)」をご覧ください。
駐車場を外部に貸し出す場合には、税理士に相談すると良いでしょう。
(一般社団法人|マンション管理業協会より引用)
サブリース会社と契約を結ぶ
なかなか借り手が見つからない場合は、サブリース会社に相談するという方法もあります。
もしサブリース会社がマンション駐車場を一括で借り上げてくれたら、駐車場の空きに関係なく、管理組合に毎月決まった賃料が振り込まれます。
しかも、利用者の賃料手続きや、募集などもサブリース会社がおこなってくれるので、管理組合側の負担はほとんどありません。
ただし、サブリース会社と契約を結ぶことで得た収入も収益事業にあたり、法人税等の課税対象となる場合があります。
サブリース会社と契約を結ぶ場合には、税理士に相談すると良いでしょう。
(大阪市マンション管理支援機構|マンション管理Q&Aより引用)
空きスペースを他の用途で活用する
外部への貸し出し以外には、駐車場の空きスペースを「自転車置き場」「バイク置き場」「収納庫」など、別の用途で利用しているケースも見られます。
収納庫に関しては、車のタイヤなどの置き場に困るものを収納できるスペースが欲しいと思っている方も多いので需要もありますし、新たな収入源にもなります。
ただし、駐車場を設置する際に届けを出して認定を受けた当初とは、使い方が大きく変わってしまうので、別の用途で使用する際は注意が必要です。
メンテナンス会社から保守契約が継続できないと言われるケースや、継続してくれたとしても何か不具合が起きた場合、責任は取ってくれないケースがほとんどです。
空きスペースを他の用途で活用したい場合は、まずはメンテナンス業者や行政に相談するようにしましょう。
機械式駐車場の撤去
そして最後は、機械式駐車場を撤去して平置きの駐車場に変更する方法です。
機械式駐車場は車両サイズの制限などで、ワンボックスカーやSUV車などの車両が大きい車は駐車することが出来ない場合があります。その場合は、しかたなく近くの駐車場を契約して停めている人がほとんどです。
ですので、平置きの駐車場に変えることでサイズの制限がなくなり、近くの駐車場を利用していた人たちが、平置きに変わったマンションの駐車場を契約してくれる可能性もあります。
機械式駐車場を撤去する費用は高額なものになります。ですが、機械式駐車場は使わなくても保守点検や修繕などの金額も毎年かかってしまいます。
思い切って平置きの駐車場にすることでメンテナンスが不要になり、のちのコストも削減できます。
ただし、マンションには駐車場の附置義務があるので、勝手に駐車場を減らすことはできません。
もし機械式駐車場の撤去又は一部解体を希望する場合は、行政に相談するようにしましょう。
最後に
今回は、マンション駐車場の空きスペースの有効活用方法について詳しく解説しました。
マンション駐車場の空きスペースは、「外部に貸し出す」「サブリース会社に一括レンタルしてもらう」「バイク・自転車・収納庫など他の用途で利用する」「機械式駐車場を撤去する」などの工夫で、いろいろと有効活用することができます。
ただし、マンションには駐車場の附置義務があるなど、難しいルールも沢山あります。
マンション駐車場の空きスペースを有効活用したい場合には、まずは信頼できるメーカーやメンテナンス業者に相談して、詳しく聞いてみるとよいでしょう。
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