機械式駐車場に入庫できるサイズの解説と注意点。重量と総重量って違うの?

 

機械式駐車場には、車を安全に入庫するために収容制限が設定されています。
収容制限をオーバーしている車は入庫できません。

サイズオーバー・重量超過の車を無理やり入庫すると、「車に傷が付く」「駐車場自体に想定外の負荷がかかる」などのトラブルの原因になるためです。

では、収容制限を守るために知っておくべきことはなんでしょうか?

この記事を読んで、理解を深めていきましょう。

 

収容可能条件のサイズには何がある?

車のサイズに関する情報の多くは車検証に記載されています。
しかし、具体的にどこからどこまでの長さなのか、どんな条件下での計測結果なのか等は、きちんと理解されている方は意外と少ないのではないでしょうか。

また、実際の車には車検証に含まれないサイズが存在するのはご存知でしょうか?
収容制限のサイズは車検証に含まれないサイズも含め、車の実寸で収まっていることが必要ですので、車検証の情報だけでなく、ディーラーまたは実寸でサイズ計測をおこなうことも大切です。

それでは、機械式駐車場に入庫する際に、確認しておくべき車のサイズ・重量を以下にご紹介していきます。
車検証に含まれないサイズとは何かも合わせてご覧ください。

また、車検証に記載されている事項の見方はこちらの記事で解説しています。気になる方は、こちらも合わせてご覧ください。

 

長さ(全長)mm

車の先端から後端までの長さを示します。
※原則として、車検証にはスペアタイヤ等のオプションは含みません。

 

幅(全幅)mm

車の左端から右端までの長さを示します。
※ドアミラーは車検証のサイズに含まれていません。

 

高さ(全高)mm

タイヤの底から車体の天井部分までの長さを示します。
※原則として、車検証にはETCアンテナやスキーキャリア等のオプションは含みません。

 

F値/R値 mm

F=フロントバンパーオーバーハング + ホイールベース
R=リアオーバーハング

R値とは、後輪の中心位置から車体の後端までの長さを示します。
F値とは、車の全長からR値を引いた長さを示します。

F値とR値は、車検証には記載がありません。
実寸またはメーカーに確認が必要です。
※原則としてメーカー値には、スペアタイヤ等のオプションは含みません

 

最低地上高 mm

車体の底面から地面までの距離を示します。
また最低地上高は、一般的に用いられる前輪と後輪の間の最低地上高(A)の他に、後輪より後側の最低地上高(B)も設定されている場合があります。

 

重量 kg

車の標準時の重さを示します。
この記事の後半では重量についての詳細を紹介しています。
詳しく知りたい方はこちらまでスキップしてください。

 

機械式駐車装置の収容制限サイズは、上にご紹介してきた赤のサイズのように、オプション類も含めて車の実寸で収まっていることが必要です。

なお、特に見落としがちなオプション類、F値/R値についてもう少し詳しくご紹介します。

 

1.オプション類

ETCアンテナ、ドアミラー、スキーキャリア、スペアタイヤ 等…
オプションを含んだサイズは車検証には掲載されていません。

ですので、駐車装置を利用できるサイズなのかどうかは車の実寸で判断しなければいけません。
特に車検証の数値が収容制限サイズのぎりぎりの場合、注意が必要です。

 

2.F値/R値

機械式駐車場に入庫する際、実はこのF値/R値という2つの値がとても重要です。
昔はこういった概念が無く、古い装置では無設定の場合があります。
どちらかの数値が極端に長いと、車止めの位置の関係で、車の先端または後端が駐車スペースからはみ出してしまう可能性があるため大変危険です。

F値/R値がオーバーしていた場合、車止め移設で入庫可能となることもあります。
車止め移設が可能かどうかは、お使いの駐車場のメンテナンス会社にお問い合わせください。
※F値/R値の確認方法はディーラーに依頼、または自分で計測することで可能です。

 

 少しでもサイズオーバーしてしまったら?

駐車装置の制限サイズより1cm超えているけど…入れたら入るから大丈夫かな?
そんな経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際には、駐車装置の駐車スペースは収容制限サイズより少し安全を見て作られてはいるのですが、収容制限サイズを超えて使用していると、車体に傷が付く、タイヤホイールやタイヤが擦れてパンクに繋がる、ドアが開けられなくなる等の事故やトラブルに繋がる可能性があります
特にパズル式駐車場での高さ超過は、写真のような大事故につながる恐れもあります。

車が実際に入るかどうかを気にしてしまいがちですが、もともと収容制限のサイズは装置メーカーが安全に使用出来ると判断した「保証値」の意味合いがあります。
サイズオーバーで事故が起こった際には、保険が効かなくなってしまうなどの不利益が出てしまうこともあるので、収容制限サイズを守って利用することが大切です。

 

 車両重量と車両総重量の違いとは?

車両重量

車両重量とは「満タンの燃料やオイルなどが入った状態」で「積載物や人が乗っていない状態」の車の重量を指します。
収容制限の重量に収まっているかを確認する際に、車検証から読み取るのはこちらの数値になります。

ただし工事車両などで重い積載物が乗っていて収容制限の重量を超えている場合は、駐車してしまうと想定外の事故が起こったり、装置や部品の劣化を早めたりしてしまう可能性があります。

 

車両総重量

車両総重量とは「車両重量に、乗車定員の重量と最大積載量を加えた状態」の車の重量のことを指します。
乗車定員の重量は、1名=55kgで人数分を計算しています。
この数値が収容制限の重量を超えていても、問題はありません。

 

 重量超過してしまったら?

機械式駐車場は様々な部品で構成されています。
例えば、駐車用の鋼板であるパレットが数枚の鋼板を繋ぎ合わされている場合、耐重量の超過は亀裂や歪みの原因となります。最悪の場合、パレット交換工事をおこなう必要性が出てきますので十分気を付けましょう。

その他、モーターやチェーンなどの駆動系の部品や、柱やシャフトなどの構造部材にも想定外の負荷が掛かります。
そのため収容制限値を守らないと、故障や事故の原因を作りかねませんし、その際には「誰に責任追及するのか」で更なるトラブルも起こるかもしれません。
そういった状況を避けるためにも、収容制限は守っていきましょう。

 

最後に

機械式駐車場のサイズ・重量などの収容制限について、理解は深まりましたでしょうか?

機械式駐車場はその名の通り、機械で動いています。
これくらいなら…」「まぁ大丈夫だろう」といった考えで収容制限値を超過してしまうと、機械の故障や車体を損傷する事故など思わぬトラブルが起こる可能性があります。

収容制限はみなさまの大切な車を守るために作られ、設定されているものです。
機械式駐車場を利用する場合は収容制限に十分に気を付け、事故を防ぎましょう。

 


 

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