こんにちは。
パーキングドクタープラス編集部です。
マンションの機械式駐車場は基本的に屋外に設置されているものが多く、台風時には思わぬ故障やトラブルなどが発生することがあります。
何も対策を取らないままだと、大切なお車を傷つけてしまうだけでなく、命に関わる重大事故に繋がる危険性もあります。
そこで今回は、台風時の機械式駐車場の注意点・対策などについて詳しく紹介していきたいと思います。
台風が来た時の機械式駐車場の注意点
台風が来た時の機械式駐車場の注意点は、
- インターロックを解除する(ピット式単純昇降装置の場合)
- 飛散物には注意する
- 台風時は機械式駐車装置を使用しない
以上の3つです。それでは、それぞれ詳しく解説していきたいと思います。
インターロックを解除する
地下ピットがある機械式駐車場の場合は、地下に溜まった水を排出するための排水ポンプが設置されています。
地下ピットが台風などの大雨で排水が追い付かず、満水になってしまうと車両が水没する危険がありますので、予備用の簡易排水ポンプなどがない場合は、迷わずにインターロックの解除をおこないましょう。
〈インターロックとは〉
単純に昇降のみする機械式駐車場には、隣接する装置が同時に作動してしまうと危険なため、それを防ぐためのインターロックという安全装置が付いています。
安全装置を解除するには、インターロックキーと呼ばれる鍵が必要になりますが、インターロックキーを使用すると、隣接する装置も上昇させたままにすることができます。そうすることで、車の水没を防ぐことができます。
このように予備の排水ポンプを用意してないマンションは、インターロックキーを準備しておき、いざという時にはインターロックを解除することをおすすめします。
ただし、パズル式の駐車装置など、構造上の問題ですべての車を上昇させたままには出来ず、水没対策が出来ない装置もあります。
使用している装置にインターロックがあるかどうかや、ある場合のインターロックの解除方法は装置によって異なりますので、取り扱い説明書を確認するか、ない場合は事前にメーカーやメンテナンス業者に使い方を聞き、確認しておきましょう。
また、インターロックキーに関しては、組合によって管理の仕方が違います。なので、前もってどこに管理されているかをきちんと確認しておきましょう。大抵は管理人やマンション理事が管理している場合が多いです。
飛散物に注意する
台風時は、強風によって機械式駐車場に飛散物が当たってしまい、何らかの故障やトラブルが発生する危険性があります。
ですので、まずは事前に台風が近づいているのがわかっている場合は、あらかじめ機械式駐車場の近くには、風で飛ばされやすい物などは置いたままにしないようにしましょう。
また何が飛んでくるかもわからないので、台風時は機械式駐車場に近づかないようにしましょう。
台風が過ぎ去ったあとに車を動かしたい場合にも、注意が必要です。枝やゴミなどの飛散物が装置内にある状態で動かしてしまうと、思わぬ故障や事故にもつながります。まずは機械式駐車場を操作する前に、装置内に飛散物がないかどうかを確認し、問題や不安がある場合はメンテナンス業者に相談するようにしましょう。
台風時は使用しないようにする
機械式駐車場は外に設置されていますので、台風時には水や強風の影響で、故障や事故が発生する場合があります。
ですので、台風時に装置を動かしてしまうと、大切なお車を傷つけてしまうだけではなく、命にかかわる重大事故に巻き込まれてしまう可能性も考えられますので大変危険です。
台風時は、機械式駐車場には近づかず、装置を使用することも控える方がよいでしょう。
機械式駐車場の台風対策
台風時の機械式駐車場の注意点はおわかりいただけたかと思いますが、台風が来る前にできる、事前の対策についてもご説明いたします。
台風が来る前にできる主な事前対策は、
- 簡易的な排水ポンプを用意しておく
- 土嚢の準備をしておく
- 前もって車を他の場所に移動しておく
- すぐ対処できる体制をつくっておく
- マンション総合保険に加入しておく
以上の5つです。それでは、それぞれ詳しく解説していきたいと思います。
簡易的な排水ポンプを用意しておく
地下ピットがある機械式駐車場の場合は、地下に溜まった水を排出するための排水ポンプが設置されています。
ですが、台風などの想定外の大雨の場合は、排水が追い付かず、車が浸水する事故が発生してしまうことがあります。
ですので、設置されている排水ポンプのほかに、予備の排水ポンプを用意しておくことをおすすめします。予期せぬ大雨の場合でも、予備の排水ポンプがあることで浸水の被害を抑えることができます。
土嚢の準備をしておく
前もって台風の接近などで大雨が予想されている場合には、機械式駐車場の地下への水の侵入を未然に防ぐことも重要なポイントです。事前に土嚢を大量に用意できる場合は、周りに置いておくといいでしょう。
大量の土嚢を準備するのは大変なことですが、水で膨らむタイプの土嚢や、止水板を設置するなどの対策もありますので、管理組合などで準備しておくことをおすすめします。
前もって車を他の場所に移動しておく
前もって車を他の場所に移動しておくと、機械式駐車場の思わぬ故障やトラブルが発生したときに、最悪の事態を防ぐことができます。
しかし、台風が近づいてからではマンション住民の方も戸惑ってしまうので、「台風などの大雨や強風が予想される時は、〇〇まで車両を移動しておいてください」などのルールやマニュアルをあらかじめ設けておくのもよいでしょう。
そうすることで、スムーズに移動ができ、トラブルを未然に防ぐことができます。
すぐ対処できる体制をつくっておく
万が一、台風の大雨や強風による機械式駐車場のトラブルが起きてしまったら、起きてからでは遅いこともありますし、いざというときに慌てないために、備えをしておくことが重要ですよね。
まずは、機械式駐車場の現状をしっかりと把握しておくことが大切です。
機械式駐車場であれば、
・メーカー名
・製品番号
・管理番号
・緊急連絡先(メンテナンス業者や契約者)
・保守契約内容のチェック
これらの情報をあらかじめ調べてまとめておき、もしもの時にすぐに対応できるよう、管理事務室などに保管しておくと良いですね。
台風だけでなく、地震の多い日本では、いつどこで大地震が起きてもおかしくない状況です。
特に地震発生時における機械式駐車場の対応は重要で、誤った対処法を行ってしまうと、機械損傷や車両の位置ずれなどで、二次災害に発展してしまう危険性が高まります。
利用者の安全を守るためにも、マンション管理組合が迅速に対応できるように、あらかじめ機械式駐車場の情報を整理しておきましょう。
地震時の機械式駐車場の使用方法と注意点について詳しく知りたい方は、「地震時の機械式駐車場の使用方法と注意点をまとめてみた」をぜひご覧ください。
マンション総合保険に加入しておく
台風によって機械式駐車場が壊れてしまった場合、修繕積立金から修繕費用を支払うことになりますが、多くの損害が出た場合は、修繕積立金だけでは賄えない場合も考えられます。
そんなときのために、マンション総合保険に入っておくのも一つの方法です。
保険会社やプランによって保証範囲が変わるので、機械式駐車場が保証の範囲に入っているか、どのようなケースの時に保険が適応されるのかを確認してみるのが良いでしょう。
〈保険料はどこから徴収されるの?〉
これについては、国土交通省が発表した「マンション標準管理規約」によると防災に関する費用を管理費から支出できることが明記されています。
第27条 管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
五.共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
ですので、マンションの管理組合が負担する保険料は、マンション所有者が毎月負担する管理費などから支払われることになります。
台風が原因で機械式駐車場が損壊した場合は、すぐに保険会社に連絡しましょう。その際、損害箇所や状況をしっかりと記録しておくことや、写真を撮っておくなどの対応をしておくとさらに良いですね。
最後に
今回は、台風時の機械式駐車場の注意点と対策について詳しくまとめました。
何事もなく台風が過ぎ去るのが一番ですが、機械式駐車場は複雑で大きな装置のため、十分に気をつけないといけません。
まずは管理組合でしっかりと台風時のルールやマニュアルを作り、手遅れにならないように対策をしましょう。
パーキングドクタープラスでは、マンション駐車場に関する有益な情報をどんどん発信して参ります。ぜひ、その他の記事も読んでみて下さいね。