機械式駐車場導入によるメリット・デメリットの比較

 

こんにちは。
パーキングドクタープラス編集部です。

私たちの日常生活にかかせない車ですが、戸建てと違ってマンションではマンション住民の方が使うための駐車場が必要です。都心部のマンションなどでは機械式駐車場という駐車場が多く作られています。

「機械式駐車場は他の駐車場とは何がどう違うの?」
「機械式駐車場はどういった事に注意する必要があるの?」など、

機械式駐車場に対して色々と疑問に思うことや不安な点があるかと思います。

機械式駐車場には、他の駐車場と違って車やライフスタイルによってメリットとなることや、注意するべきことなどがあります。

今回は機械式駐車場のメリットやデメリット、そして機械式駐車場を使用する際の注意点をまとめてみました。

マンション住民の方が駐車場を安全に利用できるようにするためには、まずは機械式駐車場がどういった駐車場であるかを知ることがとても大切です。そして、今あなたがお住まいのマンションの駐車場はどんな駐車場であるかをぜひ考えながらご覧いただければと思います。

 

そもそも機械式駐車場とは?

公益社団法人立体駐車場工業会パンフレットより主な機械式駐車場のイラスト

マンションの駐車場には大きく分けて、敷地の1階部分に平面的に作られる「平面式駐車場」、2階以上の駐車スペースにスロープがついていて車を走行させ駐車させる「立体自走式駐車場」、そして「機械式駐車場」の3つの駐車場があります。

機械式駐車場は、パレットと呼ばれる台に車を載せ、機械を操作して車を入出庫させます。パレットは上下などの階層になっており、狭く限られた空間に立体的に駐車台数を確保することができます。

都心部などで多い狭小土地を最大限に利用できる駐車場として、昭和60年代(1980年代後半)以降、マンションなどの日常生活空間において急速に普及しました。

国土交通省によるマンション総合調査によると、駐車場のあるマンションのうち「平面式駐車場」が78%、「機械式駐車場」が32.2%、「立体自走式駐車場」が5.3%となっています。

なかでも東京圏では機械式駐車場が40%を超え、設置率が高くなっています。

(出典元:国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果〔データ編〕1⑧(1) 住宅部分の駐車場の有無及び種類別設置状況より)

 

機械式駐車場にもたくさんの種類があり、それぞれ特徴や仕組みがあります。
ここではマンションなどに多く使用されている機械式駐車場の一部をご紹介します。

 

ピット二段式

ピットと呼ばれる穴を地下につくり、地上と地下の上下に2台の車を停めることができます。地下に駐車する際は、上の車をわざわざ移動させなくても、パレットごと機械で上昇させて地下パレットを地上まで動かすことができます。ピットの深さによっては三段式になっている駐車場もあります。

 

昇降横行式

はじめから1台分の空きスペースがあるので、操作盤で指定した番号を入力するとパズルのようにパレットが上下左右に動き、出入口となる一階まで車を動かすことができます。パレットがすべて地上にあるタイプと、地上と地下ピットの両方にパレットがあるタイプもあります。

 

垂直循環方式・エレベーター方式

この2つはタワーパーキングとも呼ばれ、大規模な商業施設やマンションなどに導入されています。
垂直循環方式は、車を載せたパレットをタワー内で観覧車のように循環させ、出入口となる一階までパレットを移動させます。

エレベーター方式は、一階部分に車を駐車させる駐車室があり、車から降りてから車を載せたパレットをタワー内で上に昇降させ、左右どちらかに車を格納させます。

 

機械式駐車場のメリット

そんな機械式駐車場にはいったいどんなメリットがあるのでしょうか。
実際に見てみましょう。

 

機械式駐車場のメリット
①車両事故や犯罪のリスクが少ない

機械式駐車場は、車を降りてから機械を操作して車を格納するので、車の乗り降りでドアを開閉させるとき以外は隣接する車と接触する危険がなく、愛車を当て逃げされるような心配もありません。また、利用者以外が操作することがないので、車上荒らしや盗難などの犯罪に巻き込まれにくくなります。

 

②いたずらなどの迷惑なトラブルが少ない

平面式駐車場などでは、子供が駐車場で遊んでいて他の人の車に傷をつけてしまったなんてことはよく聞く話ですよね。機械式駐車場だと車に近づくことがないので、お子さんがいる家庭や通学路に面したマンションでも安心です。

また平面式駐車場や自走式駐車場に比べ、無断で誰かに自分の駐車スペースに駐車される心配もないので、迷惑なトラブルの防止にもなります。

 
③車が汚れにくく、車のボディの劣化が防げる

駐車場所が最上階の屋外であることを除き、機械式駐車場そのものが屋根になる駐車スペースだと、駐車時に雨風を防げるので、車が汚れにくくなります。また、日陰で直射日光が当たらないような場所では、車のボディが変色しにくく、大切な愛車を長持ちさせることができます。

 

実際に機械式駐車場を利用している方からは…

1番のメリットはセキュリティ面!
安心して駐車しておける!

だったり…

車が汚れないのはもちろん、
夏は車内が暑くなりにくいし冬は凍結の心配がない!

などといった声がありました。
駐車中でも安心して愛車を保管できるのが、機械式駐車場のいいところですね。

 

機械式駐車場のデメリット

一方で機械式駐車場のデメリットはどんなものがあるのでしょうか。
こちらも実際に見てみましょう。

 

機械式駐車場のデメリット
①入出庫に時間がかかる

機械式駐車場は他の駐車場と違い、入出庫の際に機械を操作しなければならないため、待機時間が必要とされます。朝の出勤前や夕方の帰宅時など、他の住人の方も使用するような時間帯だとさらに待つ時間が必要で、逆に待たせてしまうこともあるので、出し入れに焦ってしまうなんてことも……。

雨風が強い日や、暑い日や寒い日も待つのが辛いと感じるでしょう。急いでいる時は不便と感じるかもしれません。

 
②車種によっては駐車制限がある

機械式駐車場は、パレットと呼ばれる台に車を駐車させるため、そのスペースにあった車でないと駐車ができません。機械式駐車場にはそれぞれ車両の高さや重量などに制限があるので、まずはお住まいのマンションの管理者に確認してみましょう。

仮に駐車制限をクリアしていても、機械式駐車場は狭いスペースに作られていることが多いので、ワンボックスなどの大きい車だと駐車が難しいと感じるかもしれません。

 
③機械が故障したり、災害時のリスクが高い

万が一機械がトラブルを起こしてしまった場合、メンテナンス業者を呼んで対応しなければなりません。その間は車を出し入れすることが出来なくなる恐れがあります。また機械式駐車場の地下に車を停める場合は、豪雨や台風などの災害時に雨が流れ込み、排水が間に合わずに車が水没してしまうリスクがあります。

大地震が発生して機械等が損傷した場合には、部材が落下して車に大きく傷がつく可能性もあります。

 

実際に機械式駐車場を利用している方からは…

車の出し入れに時間がかかるので、通勤などではなく休日など、週に数回だけ車を運転する人にはセキュリティの面でもおすすめ。
定期的な点検をしていれば、災害時もそれほど心配はないと思います。

といった声がありました。

平面式駐車場や自走式駐車場にはない、機械式駐車場ならではのデメリットやリスクがあるので、その辺りの注意が必要です。

 

機械式駐車場を使用する時の注意点

機械式駐車場を使用する時の注意点

上記ではメリットやデメリットをまとめましたが、実際に機械式駐車場を使用する際にも、注意すべき点が2つあります。

 

1つ目は、事故の危険性があるということです。

機械式駐車場はマンションなどの私たちの身近な生活に普及してきた一方で、利用者が機械に挟まれ死亡するなどの悲惨な事故も増えてきました。車を載せて動かす機械は大きな力が働くので、ひとたび事故が起きた場合、重いけがに繋がりかねないのです。特に、小さな子供が装置内にいるのに気が付かず、操作時に巻き込まれる痛ましい事故も起きています。

このようなことから国土交通省では、事故の再発防止を図るため「機械式駐車場の安全対策に関するガイドライン」を策定・公表しており、機械式駐車場に関する製造者、設置者、管理者、そして利用者に向けて、安全確保と安全利用を要請しています。

それに基づき、機械式駐車場自体も、人感センサーが取り付けられたり、柵やゲートを設けたりと、安全対策がされてきていますが、利用者も事故防止のため、装置内に人が居ないかの確認や、子供が装置内に立ち入らないよう、注意して利用することが大切です。

 

そして2つ目は、きちんとしたメンテナンスが必要だということです。

機械式駐車場は定期的なメンテナンスが必要ですが、点検報告が法的に義務付けられていないので、どんなメンテナンス業者を選ぶかは管理者の判断に委ねられています。

メンテナンス費用を抑えようと安易な業者を選んではいけません。業者によっては点検内容が曖昧だったり、メンテナンス費自体を多く見積もったりする会社もあるのです。

機械式駐車場はとても複雑な機械です。専門知識がない人にとっては何がどうなっているのかまでは分からないので、きちんと点検内容を報告してくれたり、説明してくれる優良な業者にメンテナンスを任せるようにしましょう。

 

機械式駐車場導入によるメリット・デメリットまとめ

機械式駐車場導入によるメリット・デメリットまとめ

機械式駐車場には、他の駐車場とは違って機械であるが故のメリットやデメリットがあるということと、ルールを守って安全に利用することが重要であるということがご理解いただけたかと思います。

またメンテナンス業者が、マンション理事会やオーナー様と協力して機械式駐車場の安全保守管理を行っていくことで、緊急時に備えることができたり、管理体制を整えることで、さらに利用者の方が安心安全に機械式駐車場を利用することができると思います。

まずは、あなたのマンションの機械式駐車場が現状どうなっているかを知ったうえで、どういった管理が必要なのかを検討する必要があるかと思います。

ぜひ契約しているメンテナンス業者に確認してみてくださいね。

 

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