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こんにちは。
パーキングドクタープラス編集部です。
マンション管理において、機械式駐車場を安全に、かつ末永く使用できるように維持管理していくためには、保守点検や修繕をメンテナンス業者に依頼する必要があります。
「機械式駐車場の保守契約(1)POGとフルメンテナンスの違い」では、機械式駐車場の修繕を行う際には「予防保全」という不具合が発生する前に部品を交換する方法と、「事後保全」という不具合が発生した際に部品の交換をする方法の2通りの考え方があることをご紹介しました。
もちろん、予防保全の考え方で計画的な修繕を行っていくことが利用者の安全を守るためには良い方法なのですが、予算の問題で難しいという管理組合もあるかもしれません。
適切なタイミングで部品交換ができなかったために事故が起こるケースもあり、「機械式駐車場の事故発生例とその原因について解説」では、実際にどういった事故が起こり得るのかを詳しく解説しました。
今回は、こうした事故が起きないために、優先的に機械式駐車場の修繕を行っていくべきポイントなどを詳しくまとめました。
修繕の優先度を判断する要素を知っておくことで、利便性の向上や事故のリスクを減らすことができると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
修繕の優先度を判断する要素その1「事故のリスク(危険度)を理解すること」
「事後保全」という不具合が発生したらその都度部品を交換するという修繕の考え方の場合、メンテナンス費を抑えることに重点を置いているかと思います。
もちろん事故が起こらないに越したことはないのですが、万が一不具合があるにもかかわらず、そのまま放置してしまった場合、
- 修繕のタイミングで最初の不具合が発生したときよりも修繕範囲が拡大してしまう。
- 万が一事故が起きてしまった場合、被害が大きくなる。
などのリスクがあります。
多大な修繕費が掛かってしまうケースや、命に関わる重大事故が起こってしまった場合、メンテナンス業者だけでなく、放置してしまった管理者側の責任も問われるケースも見受けられます。
不具合がある場合には速やかにメンテナンス業者に連絡し、事故につながるリスクが高い場合には最優先で修繕することをおすすめします。
修繕の優先度を判断する要素その2「部品の納期」
部品の納期は機械式駐車場が使用停止になってしまった場合に、その使用停止期間にも直結する問題です。
1か月ほどで入荷できる部品もあれば、それ以上かかってしまう部品もあります。
そして長期間交換していない部品は、既に廃版になっている可能性もあります。
その場合、代替品としてどういった部品が使用できるかを選定したり、代替品を使用するのに必要となる、補助部品の必要性の有無を確認する必要があるため、半年~1年以上の時間がかかってしまうケースもあります。
万が一機械式駐車場に不具合が発生して使用停止になってから、半年~1年以上も部品の交換を待たなければならなくなった場合、利用者の方に負担をかけてしまいますし、トラブルの原因にもなりかねません。
部品の納期が長くなってしまうことが予想される場合には、その部品が壊れる前に交換するなどの、計画的な予防保全が望ましいです。
また、部品については素人では判断が難しいため、部品交換の納期についてはメンテナンス業者に詳しく聞いてみると良いでしょう。
※なお、本記事執筆当時(2022年4月)は、感染症および海外情勢により、更に部品納期がかかる状況が見られますので、より早めの計画的な修繕実施が必要と思われます。
修繕の優先度を判断する要素その3「不具合の履歴があるかどうか」
不具合が1度でも発生している箇所は、今後も再発する恐れがあります。
特に不具合が発生している箇所は、経年劣化により発生している場合が多いです。
経年劣化による故障の場合、使用している部品全体が同じように不具合が発生するリスクが高いことが想定されます。
何度も再発すると度々使用停止となり、著しく利便性が落ちてしまうので、不具合が多くなってきた部品は、全体的に交換することを検討すると良いでしょう。
修繕の優先度を判断する要素その4「不具合時の影響範囲」
部品の不具合が発生した際に、修繕が完了するまでの間、使用を停止しなければならないケースがあります。
不具合が出た部品の影響で、使用停止となってしまうのが1台だけで済むケースもあれば、場合によっては対象となるブロック全体が利用出来なくなるケースもあります。
もちろん、使用停止となる前に修繕するのが望ましいですが、優先度でいうと、まずは安全性を確保することが最優先となります。
そのうえで次には、壊れてしまうと影響範囲が大きい部品を優先し、早めに交換することをおすすめします。
使用停止などの影響範囲については、メンテナンスを依頼している業者に詳しく聞いてみると良いでしょう。
最後に
今回は、機械式駐車場の修繕の優先度を判断する要素について、詳しくまとめてみました。
しかし、実際は機械式駐車場の状況によって、どういった事故が起こり得るのかも異なってきます。
手遅れにならないためにも、今後どういった修繕を行っていくべきか、メンテナンス業者とよく相談して計画していくと良いでしょう。
もし、機械式駐車場の故障が頻繁に起きているなら、それはきちんとメンテナンスされていない可能性があります。
その場合はぜひ一度、セカンドオピニオン的に別のメンテナンス業者に診てもらうことをおすすめします。