機械式駐車場の「AI入庫判定」実証開始

機械式駐車場のAI入庫判定開発イメージとメンテナンスを行う作業員のイラスト

こんにちわ。
パーキングドクタープラスです。

2025年11月、NEC(日本電気株式会社)が、機械式立体駐車場におけるAI(映像認識技術)を活用した入庫可否判断システムの実証実験を開始しました。

これは、カメラが車両のサイズや形状を瞬時に解析し、入庫が可能かどうかを自動で判定するという技術です。管理人の目視による負担を軽減し、入庫待ち時間の短縮にもつながるため、利便性を向上させる新たな技術として注目されています。

しかし、こうした技術革新が進む一方で、駐車場管理の現場においては、「システムの高度化が、将来的な維持管理コストの増加につながるのではないか」という懸念も生じています。

今回は、最新技術の普及がもたらすメリットと並行して、消費者の皆様が知っておくべき「メンテナンス体制の課題」について解説いたします。

 

「ブラックボックス化」が進む駐車場設備

 

機械式駐車場がAIやIoTによって高度化するということは、システム内部が「ブラックボックス(内部構造が見えにくい状態)」化していくことを意味します。

これまでの機械式駐車場は、物理的な構造を理解していれば修理が可能な部分が多くありました。しかし、今後はメーカーだけが保有する「デジタル認証」や「専用プログラム」がなければ、点検作業さえも行えない時代へと移行しつつあります。

これは、スマートフォンや最新家電製品と同様の流れですが、公共性の高いインフラ設備である駐車場においては、一つのリスクを伴います。

それは、メンテナンスの担い手がメーカー系業者に事実上限定され、市場の競争原理が働きにくくなるという点です。

 

競争原理の低下と、既存設備への影響

 

競争相手が不在の市場となれば、価格決定権は供給側(メーカー)が強く持つことになります。

実際、近年ではマンション管理組合様などから、「契約更新のタイミングで、点検費用の大幅な値上げを提示された」といったご相談が、独立系のメンテナンス業者に多く寄せられている実情があります。

さらに、今回のAIのような新技術は、基本的に**「新設の装置」**向けに展開されるのが一般的です。

既存の古い装置に、後付けで最新のAIシステムを導入するには、適合する専用アタッチメントの開発などが必要となり、すぐには現実的ではありません。

そのため、メーカー側がAI技術を一つの契機として、「まだ使用可能な既存装置」を「AI搭載の新型装置」へと全面的に入れ替えるよう促す提案(リプレース提案)が活発化する可能性も指摘されています。

 

消費者利益を守る「独立系」という選択肢

 

こうした状況下において、コストを適正に抑えつつ設備を維持したいとお考えのオーナー様や管理組合様の間で、「独立系メンテナンス業者」の活用が再評価されています。

独立系業者の強みは、特定のメーカー系列に属さない中立的な立場と、既存設備を最大限に活用しようとする姿勢にあります。

特に、「制御更新」と呼ばれる手法が注目されています。

■ 装置を捨てずに「脳」だけを入れ替える技術

メーカーから「部品供給が終了したため、装置ごとの入れ替えが必要です」と案内されるケースであっても、独立系業者の多くは、機械の「脳」にあたる制御盤やセンサー部分のみを、汎用的な最新部品で組み直す技術を有しています。

これにより、鉄骨フレームやパレットといった「まだ使える体(構造部)」はそのまま残し、ブラックボックス化していないオープンなシステムで機械を蘇らせることが可能です。

この手法を採用すれば、全面入れ替えと比較して大幅にコストを削減でき、その後10年以上の長期稼働が見込めるケースも少なくありません。

 

技術革新と「選べる自由」の両立に向けて

 

AIによる利便性の向上は、業界にとって喜ばしい進化です。しかし、それが「メーカーによる囲い込み」につながり、消費者の選択肢を狭める結果となっては、本末転倒と言わざるを得ません。

自動車業界では、メーカーのディーラーだけでなく、街の整備工場でも最新車両の修理が可能となるよう、情報開示のルール整備が進められています。

機械式駐車場においても、最新技術の恩恵を受けつつ、維持管理においては「メーカー系」と「独立系」を消費者が自由に選択できる環境が維持されることこそが、健全な市場の発展、ひいては利用者利益の保護につながると考えられます。

未来の技術に期待を寄せつつも、現状の設備をいかに賢く、経済的に守っていくか。

消費者には今、情報の見極めと、ご自身の状況に合わせた「賢い選択」が求められています。

パーキングドクターでは装置のメンテナンス、保守修繕、塗装工事も承っております。
塗装やメンテナンス費などお悩み事がございましたら、是非お気軽にご相談ください。

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