サイズオーバーによる立体駐車場(機械式駐車場)のトラブル紹介【事故防止のために気を付けること】

 

近年、都市部では昇降式やパズル式、ゴンドラ式といった立体駐車場(機械式駐車場)の利用が増えてきました。
限られた敷地の中で多くの車を駐車できるのは便利であると同時に、様々なトラブルが問題となってしまいます。

本記事では、その中でも実際に起きたサイズオーバーに関連するトラブル事例と、それに起因する問題について解説しています。
また、サイズオーバーに関連するトラブルや事故を未然に防ぐための注意点についても詳しく紹介していきます。
立体駐車場を安全に利用するための知識を身につけ、事故を防ぐための対策を取りましょう。

 

サイズオーバーによる駐車場装置内の事故事例と原因

事故事例①

機械式駐車場(ゴンドラ式)でのサイズオーバーによるトラブルです。
入庫した車の車高が収容制限サイズを超えていたため、写真のように車体の上部と駐車装置が接触しています。
こちらのトラブルでは駐車装置に設置されている安全装置のセンサーが感知し、幸いにも大きな事故には繋がりませんでした。

 

事故事例②

パズル式駐車場でのサイズオーバーによる接触事故です。
収容制限サイズを超える車高の車をパズル式駐車場の地下段に入庫してしまいました。
その結果、次の利用者が装置を動かした際に、地上段のパレットが定位置に移動するため横行し、サイズオーバーの車の車体上部にパレットが横から追突するように接触。事故が発生してしまいました。
このパレットと車体の接触により、車の側面上部には写真のような大きなへこみなどの被害が生じています。

 

事故事例③

パズル式駐車場でのサイズオーバーによる接触事故です。
収容制限サイズを超える車高の車を、パズル式駐車場の中間段に入庫してしまいました。
次の利用者が装置を動かした際、サイズオーバーの車を乗せたパレットが定位置へ移動し、センサーが感知してエラーにより停止しましたが、上段パレットを突き上げる形で車体上部が接触しています。
このパレットと車体の接触により、車体の天井部分に小さなへこみや傷などの被害が生じてしまいました。

 

事故事例④

パズル式駐車場でのサイズオーバーによる接触事故です。
こちらも収容制限サイズを超える車高の車を、パズル式駐車場の中間段に入庫してしまいました。
次の利用者が装置を操作した際に、該当パレットが定位置に移動しました。
こちらの事例も上段パレットを突き上げる形で接触してしまいましたが、センサーの感知範囲には届かなかったため、パレットは停止することなく横に移動し続け、最終的にタイムオーバーにより停止しました。
その結果、車の天井全体に大きなへこみと傷、タイヤのパンク被害が発生しました。

 

サイズオーバーの事故の主な原因

立体駐車場での事故の主な原因は、収容制限をオーバーしてしまうことです。
一部のケースでは、車検証に問題がなかったにもかかわらず、実際には車体の一部がオーバーしてしまう場合もあります。
また、事故が起きる可能性がある別の理由として、車止めに乗り上げた状態での駐車や車体にルーフキャリアなどの追加や改造をしてしまったことも挙げられます。

サイズオーバーの車を入庫してしまう原因は以下のような理由が挙げられます。

 

  • 収容制限を確認せずに入庫してしまった。
    (例)新車を購入した時、事故などで代車が手配された時、親族や友人または業者などの他の車を入庫してしまった時など
  • 本来入庫するべきパレット以外に誤って入庫してしまった。
  • 収容制限を超えていたが、入庫出来たから大丈夫と思ってしまった。
  • ルーフキャリアを取り忘れてしまった。

 

上記のように原因は様々ですが、基本的には“車は何でも入れられる”と勘違いしてしまっていた場合や、“似たような車だから問題ない”と思い込んでしまった場合が多いです。

立体駐車場では収容制限に注意し、適切なサイズの車を入庫するよう意識することがとても重要になってきます。
立体駐車場に駐車する際には、適切な車体のサイズの確認を疎かにせず、安全な駐車を心掛けることが事故防止につながります。

 

サイズオーバーでの事故やトラブルを防ぐための対策

立体駐車場の装置には明確なサイズ制限が設けられています
サイズ制限は高さ、幅、長さなどの具体的な制限となっており、原則的に車検証に記載されているサイズを参考にすれば問題なく駐車場に入庫可能です。
例外として、車検証に記載されないETCアンテナやスペアタイヤといったオプション類を搭載している車体の場合、ディーラーまたは実寸でサイズ計測をおこなってください。
車体のサイズを把握し、適切な駐車場を選ぶことが重要です。

また、サイズオーバーでの立体駐車場の使用は、駐車装置自体の損傷を招くだけでなく利用者の安全や車体への損傷などのリスクを高めることになります。
他の利用者へも同様にリスクが高まるため、無理な駐車場の利用は避けるべきです。
もしもサイズが大きい車を運転している場合は、代替の駐車場を探し、適切な駐車場で駐車するようにしましょう。
代車や一時駐車の場合なども駐車車両がサイズ制限に合っていることを必ず確認しましょう

サイズオーバーでの立体駐車場のトラブルは、避けられる対策を取ることで大幅に減らすことができます。
安全第一の意識を持ち、事故やトラブルを防ぐために必要な対策を取りましょう。

 

立体駐車場で事故が起きてしまった場合の対応

まず最初に、安全確保が最優先です。
事故が起きた場合、安全な場所に車を停車し、周囲の安全性を確認しましょう。
怪我をした人がいた場合は、速やかに救急車を呼ぶなどの対応をとりましょう。

次に、現場の職員やメンテナンス業者および管理会社、管理組合の駐車場担当理事などへ事故を報告しましょう。
報告する際には、事故の内容や時間、場所、および関係者の情報を詳細に伝えることが重要です。これにより、スムーズな対応が可能になります。

立体駐車場での事故は避けたいものですが、もしも事故が起きてしまった場合は、冷静な対応と速やかな通報、関係者との連絡を心掛けてください。
安全第一の心構えで、事故を未然に防ぐ努力を続けましょう。

 

加入している保険会社への連絡

立体駐車場内で事故を起こしてしまった場合、保険会社の対応は保険の適用範囲や免責金額など、契約内容や状況によって異なります。

保険会社によっては、立体駐車場内での事故に対して特約が設けられている場合もあります。
特約とは、契約者と保険会社が別途合意した条件や規定のことであり、事故の際には特約の内容に従って対応されることがあります。
そのため、立体駐車場の契約をする際には、事前に自身が加入している保険が立体駐車場内での事故に対する特約の有無があるかなどを相談するといいかもしれません。

保険の適用範囲は契約内容によって異なるため、事故が発生した場合は保険会社に連絡して詳細を確認することが大切です。

 

まとめ

この記事では、立体駐車場のサイズオーバーによるトラブルについて紹介しました。
立体駐車場のサイズ制限を超えて入庫することは、事故やトラブルを引き起こす原因となります。
そのため、立体駐車場を利用する際には注意すべきポイントを押さえる必要があります。
立体駐車場のサイズ制限や仕組みを事前に確認し、自分の車のサイズに合わせた立体駐車場を選ぶことがとても重要です。

また、入庫や出庫の際には、確実に車体をスペースに収めるようにしましょう
もし立体駐車場内で事故が起きてしまった場合は、冷静に対応することが大切です。
すぐに現場の職員やメンテナンス業者および管理会社、また管理組合の駐車場担当理事などへ連絡を取り、合わせて自分が加入している保険会社にも相談してみると良いでしょう。

立体駐車場でトラブルを避けて安全に利用するためには、事前のサイズ確認が不可欠です。
自分の車と駐車場のサイズをきちんと把握し、未然に事故やトラブルを避けるために必要な注意点を守ることを心がけましょう。

 

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