こんにちは。
パーキングドクタープラス編集部です。
機械式駐車場の塗り替えは、通常5~7年に1回の周期で行わなくてはならないものです。
とはいえ、機械式駐車場の塗り替えについて詳しく知っている方はあまり多くはないのではないでしょうか。
そこで、機械式駐車場の塗り替えはどのような手順で行われて、各工程では何をしているのかなど、機械式駐車場の塗り替えについて、実際の写真を使って分かりやすくお話ししたいと思います。
今回は、機械式駐車場の塗り替え時に行う錆止め・下塗り・上塗りについてご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
塗り替えの一連の流れについて
※上記工程はパーキングドクターの標準的な工程です
機械式駐車場を塗り替える際は、基本的に上記の工程で行います。また、オレンジ色の工程は基本的に外壁塗装では行わない工程です。
外壁塗装と機械式駐車場の塗装は一見すると同じように見えますが、機械を塗装するので実は細かな部分が違います。
前回は上記の工程の中の「ケレン作業」についてご説明しましたが、今回はそれに続く、錆止め・下塗り・上塗りについて詳しくご説明します。
塗り替え手順5:錆止め
「ケレン作業」が終わり、中間検査で問題がなければ、ケレンした部分に錆止め剤を塗ります。
錆止め剤を塗ることで、ケレンで取り切れなかった微細な錆があった場合にも、無効化して新たに錆が発生しないようにします。
<錆止め剤とは>
錆止め剤とは、防錆剤、塗布形素地調整軽減剤とも言われている塗料です。
おおまかに錆止め剤の作用についてお話しすると、錆止め剤を塗ると錆止め剤の成分が錆層に浸透し、錆の発生元となる水分と反応し湿気を除去。
また、空気に触れないよう膜を張り、錆が新たに発生することを防ぎます。
錆止め剤はケレン後に使われるだけでなく、ケレンができないボルト部分や溶接部分、ケレンができないような環境的に制約がある場合などにも使われる塗料です。
必要な部分に錆止め剤を塗り、次の下塗りへと移ります。
塗り替え手順6:下塗り(表面)
錆止め剤の塗布が終わったら、いよいよ塗り替えの工程に移ります。
まずは、パレットの表部分に下塗り剤を塗っていきます。
下塗りは目に見えない部分ですが、実は重要な工程です。
今回お話ししている工程は、「錆止め・下塗り・上塗り」ですが、場合によっては「下塗り・中塗り・上塗り」となる場合もあるかと思います。
「○○塗り」となっているので、同じ塗料を複数回塗ると思う方も時々いますが、実は下塗り、上塗りで違う塗料を使います。(中塗りも専用の塗料がありますが、上塗りと同じ塗料の場合があります)
<下塗りの目的>
下塗りの主な目的は
- 上塗りする塗料の付着性を高めること
- 細かい凹凸などを平らにすること
- 塗膜の厚みを確保して、耐久性を確保する
などです。
下塗りには、上塗りと目的が違うため性能が違う塗料を使います。
また、この下塗りを行わずに上塗りを行うと、
- 塗装がはがれやすくなる
- 塗料を素地が吸い込んでしまい仕上がりにムラができてしまう
- 細かな凹凸がそのまま残り美観を損ねてしまう
などの問題が起きてしまう可能性があるため、しっかりと下塗りを行います。
塗り替え手順7:上塗り(裏面)
下塗りが終了したら、次はパレットの表面の上塗りの前に、パレットの裏面に上塗り塗料を塗ります。
<上塗りの目的>
上塗りは塗装の一番表面の部分です。
なので、上塗りは美観を保つだけではなく、上塗り塗料によって機械式駐車場を錆の発生、タイヤによる摩耗などから守ります。また、上塗り塗料によって汚れもつきにくく、落としやすくなります。
上塗りにはコストや効果の面から、ウレタン系塗料やエポキシ系塗料が主に使われています。
塗り替え手順8:乾燥
次の工程は乾燥です。
パレットの裏面の上塗り剤の塗布を終えた段階で、一度全体を乾燥させます。
乾燥させる工程は、この後のパレットの表面の上塗り後にもありますが、機械式駐車場を塗装する季節や天候、使用する塗料などによって乾燥させる時間は変わります。
乾燥の時間をしっかりととることで、塗料の性能が十分に発揮されます。
※塗料が完全硬化するまでは多くの時間がかかります。ここでいう乾燥とは次工程を進める事ができる半硬化です。ここまで乾燥すれば歩いても足跡がつきません。
次はパレットの表面を上塗りする前に、膜厚測定などを行います。
次の工程を詳しく知りたい方は「マンション駐車場の塗装工事手順の詳細を紹介(4)膜厚測定・完成検査とは」をぜひご覧ください。
塗り替えの一連の流れについて:最後に
今回は、機械式駐車場の塗装の一連の流れについてと、錆止め・下塗り・上塗りについて詳しくご紹介しました。
錆止め剤の塗布や下塗りや上塗りを丁寧に行うことで、錆の発生を防ぎ、塗装を長持ちさせることができます。
また、2~3年で塗装が剥がれ始めてしまったら、それは以前の塗装が適切に行われていなかった可能性があります。塗装実施を検討される際は、よく担当の塗装業者と打ち合わせされることをおススメします。
パーキングドクターでは塗装工事も承っております。
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