こんにちは。
パーキングドクタープラス編集部です。
機械式駐車場は、限られた土地スペースを有効活用することが可能なことから、1980年代後半より都市部で急速に普及しました。
機械式駐車場の中でもタワー式駐車場は、主に大規模な商業施設やマンションなどに導入されています。ここで言うタワー式駐車場は地下に設置された大型機も含みます。
現在タワー式駐車場は、築15~20年経過して老朽化が進んでいるものが多くなり、メーカーの保守点検や修繕を請け負ってもらえなくなる等の問題が起こっています。
定期的な保守点検や修繕をせずにそのまま使い続けることは、重大事故に繋がる恐れもあり、大変危険です。
そこで今回は、タワー式駐車場の現状についての解説、そして今後メンテナンスはどんな業者に頼むのがいいのかを詳しくご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
タワー式駐車場の現状について

機械式駐車場の保守点検ですが、エレベーターなどの設備とは異なり、実は法的に定められた点検義務はありません。
しかし、法的な点検義務がなくとも国土交通省が策定した『機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針』や『機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン』では、以下の通り管理者の責任として取り組むべき内容が示されています。
機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針(第二章第1)
管理者は、自ら適切に保守・点検を行う場合を除き、保守点検契約に基づき、機械式駐車設備の使用頻度に応じて、定期的に保守・点検を保守点検事業者に行わせるものとする。
(機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針より引用)
機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドラインⅣ-4 管理者の取組
装置の安全確保のための維持保全を行うこと。装置が正常で安全な状態に維持できるよう、機種、使用頻度に応じて、1~3ヶ月以内に1度を目安として、専門技術者による点検を受け、必要な措置を講じること。
(機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドラインより引用)
ここで言う「管理者」とは、機械式駐車装置の所有者を指し、一般的に管理組合が該当します。
なお、管理者の業務の一部は管理会社やメンテナンス業者(=保守点検事業者)に委託されることが多いです。
機械式駐車場にメンテナンスが必要な理由は「故障による事故を未然に防ぐこと」と「機械式駐車場の性能や美観を保ち、末永く使えるようにする」という2つの理由があります。
故障や事故を防いで利用者の安全を守るためにも、機械式駐車場の寿命を延ばすためにも、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。
しかし、その危険性を認識しながらも、タワー式駐車場の保守点検やリニューアルが出来ずにお困りのオーナー様が、実は大変多くいらっしゃいます。
それはいったいなぜなのでしょうか?
理由は大きく分けて2つあります。
理由1:修理交換するための部品がない

築15~20年経った機械式駐車場は、当時の施工メーカーがすでに倒産している場合や、メーカーでも部品の保管期間が過ぎているなどの理由で、修理したくても部品が無く、対応できないケースが多く見受けられます。
対応のできるメンテナンス業者でも、後続部品としてどんな部品が使えるのかなどを調べる必要もあるため、時間がかかる場合があります。
理由2:修理できる人がいない

施工メーカーがすでに倒産している場合、メーカーの保守が受けられないというケースがあります。
また、タワー式駐車場は特殊な形状をしているため、一般的な機械式駐車場の保守点検業務よりも難易度が高く、独立系メンテナンス業者の多くが、敬遠しています。
メーカー系メンテナンス業者にて保守が受けられない場合、タワー式駐車場のメンテナンス業務の実績を多く残している独立系メンテナンス業者を選ぶ必要があります。
タワー式駐車場のメンテナンスはどんな業者に頼むのがいいのか

機械式駐車場はメンテナンスに多額の費用を必要とする設備ですが、価格だけが判断基準ではありません。
ではどういった業者を選べばいいのでしょうか。
タワー式駐車場のメンテナンス業者を選ぶ際のポイントは、以下の3つです。
タワー式駐車場のメンテナンス実績を多く残しているか

独立系メンテナンス業者は、メーカー系メンテナンス業者からの転職者も多いです。
そのため、様々な機械式駐車場の知識やメンテナンス技術を社員同士で共有している業者は、タワー式駐車場などの特殊な形状の機械式駐車場のメンテナンスにも対応でき、実績も多く残しています。
過去の実績など(施工写真など)を見せてもらうと判断材料の1つになるかもしれません。
2025年2月現在、パーキングドクターでは装置の心臓部である「制御プログラム」の更新を数多く行っております。ある日突然、動作しなくなったり多大なクレームに繋がる部分なだけに要注意です。メーカーや他社に比べ、安定性と価格のバランスを重視した安定品質の商品を提供しています。
メンテナンススタッフの技術力や品質の高い保守を受けられるか

メンテナンス業者によって技術力がバラバラなので、技術力の低い業者に頼んでしまったときは問題解決が困難になるので注意が必要です。
機種の弱点や故障原因のデータ化やDXによる技術員への情報共有を積極的に取り組む業者もあるので、判断材料として確認してみると良いでしょう。
また、タワー式駐車場は中の構造や装置の不具合などは外からでは確認できないため、作業不備がないか保守点検や修繕後に写真や報告書などで確認を行っている業者であれば、この先も安心安全に使用することができるかと思います。
そういった品質性が高い保守が受けられるかどうか、保証などはしっかりした業者かどうか等が、業者を選ぶ際には重要になってきます。
不安がある場合には複数の業者に相談し、相見積もりをとってみると良いでしょう。
故障などの緊急時の対応について把握しておく

大抵の独立系メンテナンス業者は確保している部品の在庫は少なく、故障した場合に必要な部品が無いケースがあります。そういった場合には部品を注文しなければならないため、その分メンテナンスに時間がかかってしまう可能性があります。
独立系メンテナンス業者によっては、修理用部品の確保や部品の製造も行っている業者もあるため、故障などの緊急時にはどういった対応を受けられるか、事前に相談してみると良いでしょう。
また、地震や台風などの災害時も業者の対応力が非常に重要になってきます。
利用者の安心安全のためにも、緊急時のサポート体制などを確認しておくと良いでしょう。
参考資料について

国土交通省では、管理者向けに「保守点検事業者の選定に当たって留意すべき事項のチェックリスト」 を公表しています。
経営状況を客観的に確認できる資料が示されているか?
「点検周期の目安」を踏まえた点検周期となっているか?
緊急要請時の対応について確認できたか?などの内容をもとにして、総合的に判断することができます。ぜひ、ダウンロードや印刷をしてご活用ください。
↓↓↓
国土交通省のホームページ
https://www.mlit.go.jp/toshi/content/001425852.pdf
また、機械式駐車設備に関する専門的な知識を有していない、ビルのオーナー様や管理組合といった機械式駐車設備を管理されている方などにとっては、
「保守点検業者が行う点検内容・点検周期が適切かどうか」
「契約書に点検内容・点検周期をどう記載すれば良いか」などが分かりにくく、疑問に思うことや不安な点が多いかと思います。
タワー式駐車場のメンテナンスはどんなことをしているのか、そして点検周期等について詳しく知りたい方は「タワー式駐車場のメンテナンスはどんなことをしているの?」をご覧ください。
最後に

今回は、タワー式駐車場の現状についての解説、そして今後メンテナンスはどんな業者に頼むのがいいのかを詳しくまとめました。
タワー式駐車場のメンテナンスは難易度が高く、またメンテナンス業者を選ぶ際も、技術力や対応力など様々な視点で業者を選定する必要性があるため、お困りのオーナー様も多いかもしれません。
まずは価格だけで決定するのではなく、技術力や知識、緊急時の対応などを含めて納得できる業者を選びたいですね。
また、パーキングドクターでは、タワー式駐車場などのあらゆる機械式駐車場の保守点検・部品交換・制御プログラム更新・塗装工事を行っております。
ご相談、お見積りは無料ですので、お気軽にご相談ください。