錆の発生と塗装のタイミング

 

こんにちは。
パーキングドクタープラス編集部です。

マンション駐車場が機械式駐車場の場合、利用者の方が一番簡単に見つけられる異変が「錆」です。ちょっとした錆くらいなら問題になることはありませんが、機械式駐車場の錆を放っておくと、やがて大きなトラブルを発生させる元になってしまうことをあなたはご存じでしたか?

機械式駐車場の塗装が剥げたりして錆が出てしまうことは仕方のないことですが、キレイな状態で錆によるトラブルなども起こすことなく、できる限り長く機械式駐車場を使いたいですよね。

この記事では、

「錆が発生してからどのような症状になっていくのか?」
「どのくらいの錆が発生したら再塗装を検討したほうが良いのか?」
「再塗装をするのに最適なタイミングはいつか?」

などを、具体的な目安とともにお話ししていきます。

【ご注意】
※今回お話している錆のランクにつきましては、パーキングドクターが採用している基準であり、すべての塗装業者、メンテナンス業者が採用している訳ではありません。業者によって基準は異なりますので、予めご了承下さい。

 

パーキングドクターでは錆にランク付けをしています

錆のランク

ひとえに「錆」といっても、例えば放置されたトタン波板のようにボロボロになって朽ち果てているようなものから、自転車のチェーンがちょっと赤くなっているだけのものまで、色々なものがありますよね。一般的にも赤錆や黒錆、白錆、青錆などなど、錆の種類や程度にも多くのものがあります。

機械式駐車場のパレット(車を乗せる鉄板部分)も、何らかの理由で塗装が剥げてしまうと他の金属と同じように錆が発生します。機械式駐車場を長持ちさせるためには、錆を除去し発生を抑えるための塗装が欠かせません。

私たちパーキングドクターでは、管理組合の方に分かりやすく機械式駐車場の状態を知っていただくため、機械式駐車場で発生した錆を独自の基準でランク付けしています。(通常は感覚的に判断することが多い塗装診断ですが、コストと安全性を考慮して誰が診断しても明瞭に判断できる基準を設定しています。)

この錆のランクは、ほぼ無症状のものから、大至急手当てが必要な重症のものまで4つのランクに分けられています。あなたのマンションの機械式駐車場は今どのような状態か把握していますか?もしかしたら、早急に手当てが必要かもしれません。

それでは、さっそくランク別に錆の状態を見てみましょう。

 

ランクA:白亜化(チョーキング)
ランクA:白亜化(チョーキング)

いわゆる白亜化(チョーキング)といわれる状態です。キズや劣化がほとんどない状態ですが、塗膜が薄くなったことで、粉のように細かく劣化した粒が浮いてくるようになります。

新規設置もしくは再塗装後、3〜4年程度経過した屋外物件で多く見られます。一見すると塗装が薄くなったようには見えませんが、実際に手で触ってみると白い粉がつくのが特徴です。

ガードレールを触ると白い粉がつくことがありますが、それはこのような状態であることが多いです。

 

ランクB:4分割したパレットにこぶし大の錆が4つ未満
ランクB:4分割したパレットにこぶし大の錆が4つ未満

 

パレットを4分割した中に、こぶし大の錆が4つ未満の場合がランクBに当たります。すでに錆が出ていますが、小さいのでまだ機能的な問題はさほどありません。

しかし、美観が損なわれ始めています。この錆に水が溜まり「錆汁」が発生し、利用者の方の衣服や自動車についてしまうと、トラブルや苦情の原因にもなります。

 

ランクC:4分割したパレットにこぶし大の錆が4つ以上
ランクC:4分割したパレットにこぶし大の錆が4つ以上

パレットを4分割した中に、こぶし大の錆が4つ以上見られるとランクCとなります。ランクBの状態がさらに悪化したものです。錆が広範囲に広がりつつあるので、劣化が進んで貫通穴が発生する可能性も高まっている状態です。

 

ランクD:穴が貫通してしまっているもの
ランクD:穴が貫通してしまっているもの

ランクDは、すでに貫通穴(孔ともいいます)が開いてしまっている状態です。大至急、再塗装と補修が必要となります。

 

錆の実例をご紹介します

では、実際の錆はどのような状態なのでしょうか。実際の機械式駐車場で発生した錆の状態を実例でランク別にご紹介します。

※ランクAに関しては、見た目に大きな違いがなく分かりづらいので割愛しました。

 

錆の実例(ランクB)

まずはランクBです。こぶし大の錆はそれほど多くないので、軽症に見えます。しかし、すでに錆が出ているので、放置すると状況は悪化する一方です。また、美観も損なわれています。

ランクB画像

 

錆の実例(ランクC)

ランクCはすでに広範囲に渡って錆が発生してしまっている状態です。錆が発生することでパレットの耐久性が下がっていて、錆汁が発生していることも多くあります。このような状態の場合は、なるべく早い再塗装の実施が望ましいです。

ランクC画像

 

錆の実例(ランクD)

ランクDは錆がさらに進み、耐久性が落ちたことで貫通穴(孔)が発生しています。貫通穴の部分を機械式駐車場の利用者の方が踏み抜いてしまったり、タイヤが落ち込んだりする可能性があるとても危険な状態です。

また、この状態だと下に錆汁が常に落ちている可能性が非常に高いです。もし下に自動車があった場合、恒常的に滴り落ちた錆汁は洗車では落とすことができません。

ここまで来るとただの塗装工事では足りず、鉄板による補修工事なども伴います。一刻も早い再塗装の実施を推奨します。

ランクD画像

 

塗装をするタイミングはいつがいいの?

塗装をするタイミング

 

ここまでご紹介してきた錆のランクですが、実際に機械式駐車場の塗装をするタイミングとしてベストなのは、いつなのでしょうか。

結論から先に言いますと、「ランクB」が塗装するのにベストなタイミングです。ランクBの状態になったら、概ね3〜6ヶ月以内に再塗装するのがベストです。主な理由は3つあります。

 

理由1:コストパフォーマンスが一番良い

なぜ最もベストなタイミングは「ランクB」なのか?

それは、この段階が使用上の問題が発生する前で、追加の費用もかからず、ほとんど外観上の問題だけで済んでいるからです。

錆を放置して状態がひどくなってしまうと余計にお金もかかりますし、手間もかかります。手間がかかると言うことは、工事日数が増える可能性があり、利用者の方に更に不便をかけることになります。そうなる前の最適なタイミングが「ランクB」なのです。

 

理由2:使用上の問題がまだ発生していない

ランクCやランクDの場合は、見た目だけでなく使用上の問題も発生しています。

例えばランクCの場合、錆汁が発生して装置の昇降時に衣服や自動車に飛散してしまうことがあります。また、ランクDではパレットに貫通穴が開いてしまっているため、下に自動車があった場合、錆汁が滴り落ちている場合があります。

この恒常的に滴り落ちた錆汁は非常に落ちにくく、洗車では落とすことができません。このような状態はトラブルの元になってしまうので注意が必要です。

また、ランクDの状態になってしまうと、利用者の方が貫通穴の上を踏み抜いてしまい、怪我につながる場合も考えられます。同様に、車が貫通穴の上に乗ってしまったらタイヤが落ちてしまう可能性もあります。ランクDは、事故の危険性もある状態と言えます。

 

理由3:追加費用が発生する前だから

ランクDの場合はすでに貫通穴が開いてしまっているので、それを補修するための鉄板を張り付ける必要があります。そうなると、塗装費用以外に追加で費用がかかります。いくつものパレットがランクDだと、それだけでかなりの追加費用がかかることになります。

こういった問題が発生する前に定期的に塗装をしておくことで、利用者の方から不満も出ず、トラブルも起こらず、余計な費用もかからずに機械式駐車場を利用していただくことができます。

 

最後に

マンション駐車場が機械式駐車場の場合、鉄のパレットを使っているので、錆を完全に防ぐことはできません。

しかし、定期的な塗装(補修)を行うことで、利用者の方も気持ちよく、機械式駐車場も長持ちさせることができます。

今回は錆のランクや、発錆した後にどのタイミングで再塗装するのが一番良いのか?などを、実際の写真を交えてお話ししました。

あなたのマンション駐車場を再塗装する際の参考になれば幸いです。

 

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